山好き男の登山奮闘記

古い新しい問わず様々な山行を徒然なるままに記す山行駄日記

【空木岳〜南駒ヶ岳〜越百山】山深い中央アルプス南部絶景の稜線を歩く(前半)

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思い出の山行第2回は「中央アルプス南部周回」です。

中央アルプスの中でも人が少なく静かな南部。その中で南駒ヶ岳や越百山の稜線はすごく綺麗とのことで、いつか登りたいと思っていました。そこで空木岳を含めた南部をぐるっと周回するコースを計画。2023年8月5日から1泊2日で100、200、300名山を巡る贅沢な山行に挑戦しました。

【アクセス】

自家用車を利用

東京→中央道→岡谷JCT→伊那IC→国道361号→国道19号→林道→伊奈川ダムゲート前駐車スペース

【コース】

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距離:29.7km 累積標高:登り2767m 下り2804m

1日目:10時間40分

伊奈川ダムゲート前(4:20)→金沢土場(6:20)→うさぎ平(6:50)→北沢吊り橋(8:00)→空木岳七合目(9:00)→空木岳八合目(10:05)→木曽義仲の力水(11:35)→木曽殿山荘(12:00)→空木岳(14:50)→駒峰ヒュッテ(15:00)

2日目:9時間50分

駒峰ヒュッテ(4:00)→空木岳(4:10)→赤椰岳(5:35)→南駒ヶ岳(6:40)→仙涯嶺(8:20)→越百山(9:40)→越百小屋(10:40)→福栃平(12:50)→今朝沢橋(13:25)→伊奈川ダムゲート前(13:50)

駒峰ヒュッテ

宿泊は空木岳から50mほど下った場所にある駒峰ヒュッテを利用しました。駒峰ヒュッテは避難小屋で食事の提供はなく素泊まりのみです。地元の山岳会の方が運営しているそうで、避難小屋ですがシーズン中は小屋番の方がいらっしゃいます。私たちはシュラフは持参しましたが、レンタルもあるようです。寝場所の区割りもしっかりしてくれて、居心地も眺めも良い素敵な山小屋でした。カップラーメンや飲料水の販売もあり、料金は素泊まり6000円でした。

空木駒峰ヒュッテ 中央アルプス 空木岳の山小屋 池山尾根や中央アルプス縦走の拠点となる山小屋 登山道情報など

【登山前】

駐車スペース

ゲート前の駐車スペース

このルートの1番の難しさはアクセスの悪さだと思います。東京方面から伊奈川ダムに向かうのも骨が折れますが、問題は駐車スペースです。本当は登山口近くに伊奈川ダム上駐車場があるのですが、2018年8月16日の豪雨災害により斜面の崩落や路肩が損壊し、駐車場までの林道が車両通行止となっており、復旧見込は未定とのことです。ちなみに徒歩での通行は可能。

伊奈川ダムから約1キロ手前に車両通行止を示すゲートがあり、その少し手前の空いた路肩スペースに駐車することになります。綺麗に駐車しても10〜15台が限度です。工事車両も通るらしいので、通行の妨げになるような駐車はNGです。

ここまで来て駐車できないのは避けたかったので、私たちは前日深夜2時30分に来て車中泊することにしましたが、到着時にすでに5台くらい駐車していました。中にはタクシーを利用する人もいるようです。

トイレ

駐車スペースにトイレはありません。伊奈川ダム上駐車場にもトイレはないので、基本的には事前に道の駅などでトイレを済ます必要があります。ただ伊奈川ダムを越えた辺りの工事現場に簡易トイレがあり、ここは利用できるようです。私はありがたく利用させていただきました。

【1日目 伊奈川ダムゲート前〜駒峰ヒュッテ】

伊奈川ダムゲート前〜うさぎ平

1日目は、長い長い林道歩きから始まります。登山道に入るうさぎ平までは約9キロの林道歩きです。林道歩きが辛いのは私だけでしょうか…

伊奈川ダムのゲート

日が昇る前の4時20分、伊奈川ダムゲートを通過して1日目の目的地、空木岳へ向かって出発です!

登山口

この登山口標示がある場所が、土砂崩れで使えなくなっている伊奈川ダム上駐車場です。ここの少し手前の工事現場に簡易トイレがありました。

この辺りの通る時に注意!⚠️

がすごいです!

とにかく尋常ではない蚊の大群に襲われます。私はハーフパンツにサポートタイツを履いていましたが足が痒いなと思い見てみると、足一面に真っ黒に数十匹の蚊がたかっていました。あまりの多さにゾッとしました…しかも数キロは追ってきます。虫除けスプレーは必須です!

最初の分岐

少し先の分岐を空木岳方向へ。これから長い山行の始まりです。

長い林道

最初は退屈な林道をひたすら歩きます。

林道を流れる川

林道の途中で、林道上を川が流れています。この先の六合目で難所ポイントの渡渉があるのですが、水量が多いと渡ることができません。ここに流れる水量が六合目渡渉ポイントの水量の目安になるかもしれません。この水量は他の方の過去の山行と比較するとかなり少ないです。多い時はこの3倍くらいは流れていました。この水量を見て、私は渡渉は問題ないと安心できました。

金沢土場

金沢土場を通過。この分岐を右に進み空木岳方向へ向かいます。

うさぎ平

うさぎ平に到着して、ようやく林道が終了。ここから登山道に入ります。

うさぎ平〜木曽殿山荘

笹が刈られた登山道

それほど登山者は多くないのに、しっかり笹が刈られて整備されていました。本当にありがたいです。そういえば、途中で休憩した時に初めて野生の啄木鳥が木をつついているの見ました。ちょっと感動でした!

一番の難所である六合目渡渉ポイント

ここが最大の難所というか懸念材料だった六合目の渡渉ポイントです。本当は吊橋があったらしいのですが、今は流失してありません。もし川が増水していると渡ることはできません。ネットで調べると「飛び石で渡れた」「水量が多く膝まで水があった」など様々な情報がありました。もし増水していて渡れなければ戻るしか手はなく今回の山行は終了です😅

私たちの時は運良く川の水量はかなり少なかったと思います。上流地点に渡渉できそうなポイントを発見して飛び石で無事渡ることができました。

仙人の泉

七号目を過ぎた場所に水場となる仙人の泉がありました。水はチョロチョロで少なかったです。

八合目

ようやく八合目まできました。ここまで眺望は全くありません。真夏の樹林帯を黙々と登る辛い区間です。

登山道の崩落箇所

崩落している箇所もありました。注意して通過します。

木曽義仲の力水

木曽義仲の力水に到着しました。なんだか力が湧きそうなので、飲んでみると冷たくて美味しかったです。ここが最後の水場となるので水も忘れずに補給しました。

なんたが由緒ありげな名前なので調べてみると、武将木曽義仲が木曽殿越を越えて伊那の豪族の笠原氏を攻めたという伝説があるらしいです。もしかしたら木曽義仲もこの水を飲んだかもしれないと思うとロマンがありますよねー

ようやく見えた空木岳

木曽義仲の力水を越えた辺りでようやく眺望がひらけ、空木岳が視界に入ってきました!ここまで長かったなー(ここからも結構長かったですが…)

木曽殿越に立つ木曽殿山荘

木曽殿山荘も見えてきました。

木曽殿山荘

木曽殿山荘に到着です!なかなか大きいしっかりした山小屋でした。ここでCCレモンを買って大休止です。暑い中登ってきた後のCCレモンは最高です!

木曽殿山荘〜空木岳〜駒峰ヒュッテ

空木岳に向かう登山道

体力を回復させ、本日のラスボス空木岳にアタック開始です。台風の影響もあり雲が多くなってきてしまいました。

険しい空木岳

残り300m程度の登りですが、空木岳までの登りは結構きつかったです…

雲の間から見える景色が素晴らしい

時折雲の間から綺麗な景色が見えて少し元気になります。

山頂に近づくにつれガスが多くなる

何度も何度もニセピークに騙されました…力を振り絞って空木岳を目指します。

山頂までの稜線

やっと空木岳を視界にとらえた!

山頂に到着するもグッタリの筆者

空木岳に到着!疲れた〜なんだかガスってしまいましたが、本番は明日です。気にしない気にしない。

山頂の様子

山頂は比較的広かったです。

山頂から見えた駒峰ヒュッテ

山頂から少し下った所にあるのが本日の宿、駒峰ヒュッテです。

駒峰ヒュッテ

ようやく駒峰ヒュッテに到着しました!結構ハードな1日目でした〜駒峰ヒュッテは居心地の良い素敵な小屋でした!

駒峰ヒュッテから見えた絶景①

日が暮れてくると少しずつ雲が少なくなってきて小屋から素敵な景色が見えるようになりました!

駒峰ヒュッテから見えた絶景②

夕日も夜景もすごい綺麗でした!おすすめの山小屋ですよ!

1日目は眺望のない樹林帯が長く、辛く険しい登りばかりでしたが、なんとか空木岳に登頂して駒峰ヒュッテに到着しました。なんだかんだで暑い中を2000mも登ってきたのでもうグッタリ。でも本番は明日です。ずっと歩いてみたかった中央アルプス南部の稜線を目の前にして期待が膨らみます。(後半に続く)

後半はこちら↓

masa-uw.hatenablog.com

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